『体内に老廃物を溜め込まないための3つの原則 パート2』-「食べ物は正しく組み合わせて食べること」
突然ですが、あなたは「食べ合わせの悪いものとは?」と尋ねられたら、何と答えますか?
有名なのは「スイカとさんま」、「たにしとそば」、「うなぎと梅干し」、「てんぷらとスイカ」など、だと思います。
では、「肉とジャガイモ」、「魚とご飯」、「鶏肉と麺類」、「卵とトースト」などが、食べ合わせが悪いと言ったら、あなたはどう反応しますか?
「ちょっと待ってくれ。今挙げた組み合わせが良くないのなら、残っている食べ物は何も無いじゃないか」と言われそうですね。
組み合わせ次第で、エネルギーはこれだけ違う
『フィット・フォー・ライフ』プログラムの創始者、ハーヴィー・ダイヤモンド氏によると、「人間の体は二つ以上の凝縮食品(パン、米、肉、魚、乳製品など、果物・野菜以外の食品)を、胃の中で同時に消化するようには作られていない」そうです。
ダイヤモンド氏が言うには、炭水化物食品とタンパク質食品は一緒に取ると、非常に多くの場合、完全に消化されないまま大腸に送られ、未消化の炭水化物は発酵し、タンパク質は腐敗してしまうそうです。
食べ物が胃の中で8時間もの間、腐ったまま動かず、それから20時間以上も腸の中を汚すようなことになるそうです。
そのような食事をしている場合、私達はフルマラソンをするのに要求されるカロリー(約1600キロカロリー)以上のエネルギーを、消化活動に1日で使うことになるそうです。
これほどのエネルギーを消化に使ってしまっていては、体がほかのことに使えるエネルギーはずっと減少してしまい、エネルギッシュに活動できるはずがありません。
唯一の解決策は、正しい組み合わせで食べること
唯一の解決策は、「一度の食事で二つ以上の凝縮食品(果物・野菜以外の食品)を食べないこと」です。
具体的に言えば、肉や魚を食べるときには、野菜と一緒に食べて、それ以外に別の肉やジャガイモやご飯など、他の凝縮食品を食べることは避けることです。
「肉は野菜と一緒に食べる」、「パンも野菜と一緒に食べる」、でもそれらを同時に皆一緒に、体の中に放り込んではいけないのです。
ダイヤモンド氏によると、「正しく組み合わされた食事(肉・魚を含むもの)を食べた場合、食べ物が胃の中に留まるのは4時間ほどで済む」そうです。
体にとってはそれが消化に負担をかけず、その結果、エネルギーの消費をずっと少なく済ませられるそうです。
また、「補給」「同化」「排泄」の3つのプロセスがうまく機能するので、減量の効果も期待できるそうです。
あの人も、この原則の支持者だった
ここで、あなたは「こんなめんどくさい原則を守る人間が、はたしているのだろうか?」と疑問に思われたかもしれません。
そんなあなたに、以下のようなエピソードをご紹介しましょう。
あの自動車王、ヘンリー・フォードが、実はこの「食べ物の正しい組み合わせ」の原則の支持者だったのです。
『アーリー・アメリカン・ライフ』誌の記事の中で、デーヴィッド・L・ルイスは、フォードが青少年に「職業訓練と考え方」を教えるため、1928年に設立した職業学校「ウェイサイド・イン」のことについて述べています。
記事によると、「ウェイサイド・イン」には、社会的に地位の低い家庭の12~17歳までの少年たちが在学していました。
少年たちは学業ばかりか、農業、電気、自動車工学、配管工事、大工仕事、その他の職業についての訓練を受けていました。
生徒たちは、フォードが資金を出しているため、彼の教育方針と一緒に、毎日の食事に関する彼の考え方をも受け入れねばなりませんでした。
紅茶やココア、食卓塩ばかりではなく、砂糖、キャンディー、ケーキ、パイ、プリン、その他の甘いデザートの飲食は一切禁止されていました。
そして、デンプン質食品とタンパク質食品が混ぜられることも、決してなかったそうです。
これらの食べ物は、化学的に相容れないものだったからです。
一方、野菜サラダは1日に2回食事に出されていたそうです。
フォードは生徒たちに、不適切な組み合わせの食べ物を与えるつもりはありませんでした。
そんなことをすると、働くためのエネルギーが残らなくなってしまうからでした。
ちなみに、フォードは1947年に83歳で、その生涯を閉じました。
当時としては、かなり長生きであったと思いますが、この原則を守っていたことが、彼の長寿に貢献したのかもしれませんね。
まとめ
私も、最初にこの原則を聞いたときに、私たちの伝統的な食事の仕方と異なるので実行するのがとても難しいだろうと思いました(原則自体は、ごく単純なことですが・・・)。
実際、今でも完全に実行できてはいませんが、1日のうち、1~2食ぐらいはできるのではないかと思います。
ちなみに、私の最近(2012年時点)の食事のパターンは、朝食は果物のみ、昼食は正しい組み合わせを守る、夕食はあまり気にしない、といった感じです。
次の記事では、『体内に老廃物を溜め込まないための第3の原則』についてお話させていただく予定です。
(参考文献: ハーヴィー&マリリン・ダイヤモンド著 松田麻美子訳・補遺 「フィット・フォー・ライフ」 グスコー出版 )
※上記の内容は、[メルマガ 「ちょっと得する健康ニュース」 2012年3月号]の記事を再検証し、加筆修正してお届けしております。
PS
日本で外食する場合、ライスを注文しないといぶかしがられる可能性もありますね。
そんな時は、この原則のことを話すより、ひとこと「ダイエット中だから」と言って、他の話題に変えてしまうのが一番無難かもしれません。