『農薬や食品添加物より危険?』-「自然発生のカビ毒に注意しましょう!」
このメルマガでは今まで、農薬や食品添加物といった人工的な成分の危険性につい
て、かなりお伝えさせていただきました。
しかし、食物には「自然由来の反栄養素」というものもあって、それが農薬や添加物よ
り危険なこともあるのです。
実は、たいへん恐い「カビ毒」とは?
自然由来の反栄養素の主なものには、レクチン、フィチン酸、シュウ酸、カビ毒(マイコトキシン)がありますが、今回は「カビ毒」についてお話させていただきます。
ほぼどんな人でも慢性的に、毎食微量のカビ毒を摂取しています。これは目には見え
ず、非常に確認がしにくいのです。
カビ毒は食べれば食べるほど、体にダメージが蓄積していきます。
『完全無欠コーヒー』の開発者、デイヴ・アスプリー氏によると、低度のカビ毒にあたるだけでも、心身の働きが鈍くなる人は多いそうです。
アスプリー氏自身、カビアレルギーだそうで、カビ毒にさらされると心身のパフォーマンスが落ちるそうです。
彼のようなカビアレルギーの人は、全人口の約28%もいるとのことです。
高度のカビ毒を受ければ、心筋症、がん、高血圧、腎臓病、さらには脳損傷といった
深刻な症状が生じるとのことです。
たとえば、「アフラトキシン」というカビから出る物質(カビ毒)がありますが、これは『自然界最強の発がん物質』と言われています。
ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類に付着して、肝臓がんを引き起こすそうです。
コーヒーの「カビ毒」とは?
さて、アスプリー氏が食品中のカビ毒に最初に注目したのは、コーヒーがきっかけだっ
たそうです。
彼によると、コーヒーにはたびたび自然発生のカビが生えているそうです。
ブラジル産コーヒーの生豆を検査したある研究では、加工前の90%以上の豆がカビ
毒に冒されていたそうです。
また、別の研究では、レギュラーコーヒーのほぼ50%がカビていることが判明したそう
です。
実は、カビがコーヒーの問題点であることはすでに認知されていて、EUから韓国や日
本まで、世界各国の政府がppb(10億分率)単位でコーヒーのカビ毒に安全基準を設
けているそうです。
ところが、米国とカナダでは規制が定められておらず、その結果、1杯のコーヒーに
頭の働きや健康にまで悪影響を及ぼす量のカビ毒が含まれている可能性が高いそう
です。
「カビ毒」の少ないコーヒーの選び方
はっきり言えるのは、「あなたが買うコーヒー豆の種類はとても重要だ」ということです。
安いコーヒーが低コストなのは、低品質の豆を使っているだけでなく、カビ毒で冒され
がちな傷んだ豆を高い割合で含んでもいるからだそうです。
また、デカフェ(カフェイン除去)コーヒーは、概してカフェイン入りコーヒーよりカビ毒を多く含んでいるそうです。
それは、デカフェコーヒー用には低品質の豆が使われがちだから、とのことです。
加えて、カフェインが天然の抗菌メカニズムとして働き、豆にカビやその他の微生物が
生えるのを防いでいるからでもあるそうです。
カフェインを除去された豆は、焙煎後の不適切な貯蔵から生じることがあるカビに対し
、無防備になってしまうそうです。
アスプリー氏によると、オーガニック(有機栽培)の高価なコーヒーでも、有害な加工法をとればカビが生えてしまうそうです。
「天日干し」の豆は戸外に放置され、そこで鳥のフンなどのくずが付着して、カビが繁
殖するそうす。
「水洗式」を用いれば、もっといい結果が出やすいそうです。
豆を巨大な水槽に入れて発酵させ、豆の外側の部分を除去しやすくする方法で、カビ毒
のリスクはより抑えられるようです。
では、我々はどうやって「良いコーヒー」を選んだらよいのでしょうか?
先述のように、日本の政府はppb(10億分率)単位でコーヒーのカビ毒に安全基準を
設けているそうなので、ある程度はそれが機能しているのではないかと思います。
さらに、一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会が定める、「スペシャルティコ
ーヒー」の判定基準がご参考になるかもしれません。
ちなみに、私が愛用しているのは、「マウントハーゲン オーガニック インスタントコーヒー(カフェイン入り)」です。
インスタントではありますが、値段も少し高めで、美味しいと思います。
まとめ
最後に、コーヒー以外の食品でカビ毒の主要源は、小麦、トウモロコシといった穀物で
すが、ピーナッツ、果物、チョコレート、ワインが汚染されていることも多いそうです。
これらのものを食べるときは、できる範囲で品質にこだわったほうがよさそうですね。
(参考文献: デイヴ・アスプリー著 栗原百代訳 「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」 ダイヤモンド社))
[メルマガ 「ちょっと得する健康ニュース」 2016年7月号 記事]