『卵の摂りすぎを気にしなくてよい?』-「卵は "完全栄養"、理想的な食品です!」
今月(2014年6月)も、先月(2014年5月)に引き続き、三石巌先生(故人)の著書からの受け売りです。
三石先生を再度、簡単にご紹介します。
三石先生は医師ではなく、物理学の大学教授でした。
三石先生は60歳の時に白内障を患い、医師からさじを投げられましたが、ご自分で研究した栄養学で見事に治癒されました。
その後もお元気で、1997年に95歳で亡くなるまで、執筆活動や講演だけでなく、スキーもこなし、「生涯現役」を貫かれたそうです。
このような方の話を、私は信用する傾向にあります。それは、ご自分の健康理論を自ら実践されて、結果を示されているからです。
卵は理想的な食品
三石先生の栄養学の基本は、高タンパク、メガビタミン、そして活性酸素対策としてのスカベンジャー(掃除屋)の摂取です。
特に、三石先生は、良質のタンパクを十分に補給することは絶対に欠かせないとされています。
そのタンパク質の中でも、卵が最も理想的な食品であるとされています。
ちなみに、あの若返りのカリスマ、南雲吉則先生も、(必要な栄養素が過不足なく含まれている)「完全栄養」の摂取のために、「丸ごと食べられる」食材を勧められています。
そういった意味でも、卵はうってつけの食材なのです。
卵を食べる量を制限する必要はない
ところが、お医者さんによっては、「卵はコレステロールが多すぎるから、あまり食べないほうがいい」と、卵の摂取量を制限しようとします。
これに対して、三石先生は以下のように反論されています。
たしかに、卵にはコレステロールが多く含まれています。
しかし、コレステロールは、細胞膜やさまざまなホルモンを作るために必要不可欠な材料です。
制限する必要など、どこにもないのです。
三石先生によると、コレステロール自体が生活習慣病の原因となるのではないそうです。
それが問題となるのは、血液の中を流れているとき、活性酸素の攻撃を受け、コレステロールを梱包して運んでいるリボタンパクが酸化したときだそうです。
さらに重要なのは、卵の黄身に、コレステロールの数倍のレシチンが含まれていることです。
レシチンを十分に摂取していれば、余分なコレステロールは体外に排出され、胆石になることはないそうです。
ロシア人学者の誤った実験
では、なぜ卵やコレステロールを悪者扱いする固定観念が生まれたのでしょう?
三石先生によると、それは以下のような実験から生まれたとされています。
ロシアのアニチコフという医学者は、実験台としてウサギを選び、卵などの動物性の餌を大量に与えました。
その後でウサギの血液を採取して検査してみると、コレステロール値が異常に高くなっていました。
そこで、「卵は危険だ」という話になったわけです。
しかし、ご存じのとおり、ウサギは草食動物です。
つまり、普段食べているものには、コレステロールなど含まれていないのです。
そのウサギに大量の卵を無理やり食べさせるのだから、血中コレステロール値が増えるのは当たり前です。
だからと言って、雑食動物である人間にとっても、卵が危険だなどと言えるわけがないのです。
実は、三石先生のこの話を知った国立栄養研究所の研究員たちが、自ら人体実験を行ったことがあるそうです。
何人かの研究員が1日に10個の卵を摂り、1ヵ月後、2ヵ月後に血液検査をしてみました。
コレステロールの値はまるで上がっていなかったのです。
ここまで読めば、もう卵に対する抵抗感はすっかり消えたことと思います。
卵の食べすぎを心配する必要などは全くないのです。
100点満点のタンパク質を持っていて、しかも安く手に入るのですから、これほどありがたい食べ物はないのです。
卵にも欠点はある
但し、三石先生によれば、卵にも全く欠点がないわけではないそうです。
それは、生の卵白に含まれているアビジンという物質が、ビタミンHの吸収を阻害するという点です。
「ビタミンH」をインターネットで検索したところ、あるサイトに「皮膚や爪、毛髪を健康に保つほか、筋肉痛を緩和する働きがある」とありました。
脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、白髪などに有効とされているそうです。
また、そのサイトにも、生の卵白がビタミンHの吸収を阻害することが書かれていました。
三石先生によれば、これも、生でなければ全く問題はないそうです。
卵白が不透明になる程度まで加熱すればよいそうです。
生卵が好きな方もいるでしょうが、なるべく半熟の状態で食べたほうがいいそうです。
もう一つ、卵に関して気がかりな点があるとすれば、「食べ過ぎによるカロリーオーバー」です。
卵1個の熱量は80キロカロリー程度なので、何個食べても卵だけでカロリーオーバーになる心配はまずないとしても、卵だけを食べて暮らすわけにもいかないでしょう。
仮に1日に必要なタンパク質を卵だけから摂るとしても、当然、他の食品を組み合わせて食べることになります。
それを総合的に計算すると、カロリーオーバーになる可能性はあるので、注意が必要です。
まとめ
そんなわけで、私も以前は卵は週に3~4個程度の頻度で摂取していましたが、この話を知って現在(2014年6月時点)は毎日1個は最低食べています。
それにしても、先月の玄米についても言えることですが、健康に関する固定観念というのは誤った根拠に基づいているものもたくさんあるようです。
日本人は、もっと本当の栄養学を勉強しなければいけないのかもしれませんね。
(参考文献: 三石巌著 「医学常識はウソだらけ」 祥伝社黄金文庫)
[メルマガ 「ちょっと得する健康ニュース」 2014年6月号 記事]
PS
私は最近(2018年4月時点)、なるべく毎日卵を2個(生卵1個、ゆで卵または半熟卵1個)食べるようにしています。
タンパク質不足は筋肉量の低下につながるそうです。卵は便利なタンパク摂取源です。