『水は百薬の長』-「ヒトは1日にどれだけの水を飲むべきか?」
本格的な夏を目の前にして、冷たい水がおいしく感じられる季節になりました。
私には、健康について定期的にアドバイスを戴いている方がいます。
その方より、健康のために普段から水分を多めにとるように、言われておりました。
しかし、私は常々、「果たして1日にどのぐらいの水分をとればいいのか」、疑問に思っていました。
そこで、この機会に調べてみることにしました。
水を飲むと、どのような効果があるのか?
まず、水を飲むと、どのような効果があるのでしょう。
基本的には、以下のようなことが言われています。
1.整腸作用が美しい肌をつくる(便秘の解消に役立つ)
2.老廃物を排泄し、健康な体にする
3.栄養を補給する(水に含まれるミネラルは、人間の体に不可欠)
4.動脈硬化を予防する(血液をサラサラにしてくれる)
5.肥満を防止する(食前に飲むと、食欲を抑えることができる)
6.解毒作用を促進する
7.人体の恒常性を維持する(成人男子の体重の約60%は水であり、その10%を失うと危機的な状況に陥る)
水を大量に飲む健康法とは
近年、コンビニやスーパーにも、アルカリイオン水やヨーロッパからのミネラル水など、たくさんの種類の水が取り揃えられるなど、水のブームが続いています。
また、それらの水を大量に飲む健康法も、紹介されているようです。
昨年(2010年)、台湾のモデルのリン・チーリンが、日本のテレビ番組のインタビューを受けているのを、たまたま見ました。
ちなみに、彼女は、映画「レッドクリフ」のヒロイン役としても活躍。日本の旅行会社のCMにも出演しています。
彼女は、「その美しさを保つ秘訣は?」という質問に、「1日、5リットルの水を飲むこと」と答えていました。
彼女が、どのような水をどのような方法で飲むのか、詳細は分かりません。
ただ、大量の水を無理に飲むのは、健康を損なったり、危険な行為となりうることも分かっています。
例えば、マラソン等の運動時に「給水をしっかり」とよく言われます。
しかし、水分をとり過ぎると、血液が薄まり、心肺や脳が機能障害を起こすそうです。
これは「低ナトリウム血症」と言われ、2002年のボストンマラソンでは女性ランナーが死に至ったそうです。
また、このメルマガで度々引用させていただいている、安保徹先生(故人)によると、「水の飲みすぎは、胃酸が薄まってしまい、危険である」そうです。
消化酵素も酸によって働くので、あまり水で薄めてしますと、消化運動も鈍ってしまいます。
こうした体本来のシステムを壊すような水の大量摂取は、健康や長生きにとっていいわけがないそうです。
水・水分を摂る際の注意点
それでは、私たちが普段、水ないし水分をとる際に、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
複数の文献やウェブサイトを調べてまとめてみると、以下のようなことが言えそうです。
1.1日、最低でも1.5リットル(夏の盛りでは2リットル)を目安に水分の補給を心がける
ちなみに、1日に失われる水分量は合計約2.5リットル。
1日3食の食事中に約1リットルの水分が含まれているため、残り1.5リットル分は水分として摂取するように意識することが望ましいそうです。
2.水のがぶ飲みは避ける。
体が欲している以上の量を無理して飲まないことが大切です。
3.食事中は、味噌汁1杯かお茶1杯にとどめる。
あとは、飲みたいときに一口ずつ飲んで、こまめに分けて補給するのが良いそうです。
4.お酒は利尿作用を促して、かえって水分不足に陥る。お酒好きな人ほど、水分を多めにとること。
5.夜寝ている間に、体内の水分が汗や呼気で排出され、血液がドロドロになりやすい。
実は、心筋梗塞の発症は朝方に多いのです。
寝る前にコップ1杯(約180ミリリットル)、起きたらまた1杯の水を飲むのを習慣にすると良いそうです。
以上、あなたが暑い夏を健康でお過ごしになられる際の、ご参考になれば幸いです。
(参考文献: 安保徹著 『病気にならない体をつくる免疫力』 三笠書房、
その他、複数のウェブサイトを参照)
[メルマガ 「ちょっと得する健康ニュース」 2011年6月号 記事]