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まちがった口腔ケアは万病の元!?

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『歯周病が心筋梗塞や脳卒中の原因?』-「正しい口腔ケアで動脈硬化を防ぎましょう!」

 

 

歯周病従来、動脈硬化を招く主なリスク要因としては、喫煙、高血圧、脂質代謝異常、高血糖、肥満・メタボの5つが挙げられてきました。

近年、このリストに新たに加えられる要因として、「歯周病」が言われています。

 

なぜ、「歯周病」は恐いのか?

 

「歯周病」と言えば、口の中の病気であり、「歯医者さんの守備範囲で、動脈硬化とは全く関係ないでしょう?」という反論も聞こえてきそうです。

血管がご専門で、テレビでもお馴染みの池谷敏郎先生(池谷医院院長)は、次のように言われています。

 

「血管に入り込んだ歯周病菌が内膜の炎症を引き起こし、動脈硬化を引き起こす直接の要因になっているのではないか」という指摘が、近年盛んに言われている。

 

実際に、血管中の動脈硬化のコブの中から歯周病菌が発見されているそうです。

こうした動脈硬化を通じて、歯周病の患者さんではそうでない人に比べて、心筋梗塞や脳梗塞が増えることも確認され始めているそうです。

歯周病が他の病気になるメカニズム

 

では、本来は口に住んでいる歯周病菌が、血管の中で発見されるのはなぜでしょうか?

歯周病の患者さんでは、歯の周囲に歯周ポケットができ、そこに歯垢がたまりやすくなります。

この歯垢のなかには、嫌気性の(空気に触れるのを嫌う)細菌である、さまざまな歯周病菌が住みつきます。

そして、歯周ポケットの周囲では、通常、炎症が起こって歯茎の肉が腫れています。

こうした歯周ポケットの中は、もはや、完全に体内と一緒です。

 

歯周病菌

 

歯肉には、もともとたくさんの毛細血管が張り巡らされており、炎症や出血によって、その毛細血管には細菌が入り込みやすい状態になっています。

歯垢にたくさん住みついている歯周病菌の一部が、毛細血管に入り込んで全身に流されてしまうのは、むしろ当然とさえ言える状態なのだそうです。

 

血中に入り込んだ歯周病菌が、どのように動脈硬化を引き起こすかは、まだよく分かってはいないそうです。

恐らくは、血管の内壁に付着して、そこで血中の免疫細胞との闘いを繰り広げる過程で、血管の内膜に傷をつけてしまうのだろうと、考えられるそうです。

その結果、動脈硬化が起こりやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などの血管のトラブルが増えてしまうそうです。

正しい口腔ケアが、あなたの身を守る


ということで、一見、無関係にも思える食後のブラッシングなどの正しい口腔ケアが、血管事故による突然死を防ぐためにも、とても重要になります。

口腔ケアに関しては、歯ブラシだけでは歯周ポケットに入り込んだ歯垢を落としきるのは難しい、というのが最近の常識です。

少なくとも1日に1回は、歯間ブラシやデンタルフロスを利用して、歯ブラシだけでは落としきれない歯間や歯周ポケットの歯垢を掃除することが求められます。

デンタルフロス

 

池谷先生によると、歯間ブラシやデンタルフロスを使うタイミングは、ブラッシングができない時間が1日の中で最も長く、殺菌作用がある唾液の分泌量も減る睡眠時間の前に行う、夕食後のブラッシング時がベストだそうです。

また、歯周ポケットの歯垢はそれでも完全には除去しきれず、放置されることによって固い歯石に変わります。

 

歯石が多くなると歯周病菌が繁殖しやすくなるので、3か月~半年に1回程度は、歯医者さんに通って歯石のクリーニングをしてもらうといいそうです。

ちなみに、高齢者の入れ歯の場合でも、清掃が不足していたり噛み合わせが悪かったりすると、嫌気性菌の増殖を介して動脈硬化を引き起こす可能性があるそうです。

入れ歯だからと言って、口腔ケアを怠ることがないよう、十分に注意が必要だそうです。


私は6年前(2008年)に虫歯になった際に、かかった歯医者さんから勧められて、ほぼ毎食後、歯ブラシとデンタルフロスによるケアをしています。

それでも、虫歯になることはあります。

最近は、どこの歯医者さんも熱心で、定期的に歯のクリーニングの時期が来たことを知らせるハガキを送ってくれます。こういったタイミングは大切にしたいものです。



最後に追加情報です。

私がかかりつけ医的に診ていただいている栗原毅先生(栗原クリニック東京・日本橋院長)からの情報です。

 

歯周ポケットから体内に入り込んだ歯周病菌が作り出す毒素の影響は、血管症だけに留まらないそうです。

糖尿病や肺炎、低体重児出産などとの関連性も、徐々に報告され始めているそうです。

こうした歯周病と動脈硬化の例のように、一見なんの関係もなさそうなことが知らないところで結びつき、体に影響を与えていることに驚きを感じます。

栗原先生いわく、「これからは病気を全身からとらえ、考えることが、健康の新しい常識となる」とのことです。

 


(参考文献:池谷敏郎著 「血管を強くして突然死を防ぐ!」 スバル舎、栗原毅著 「フルーツをやめれば、健康になる」 学研)

 

[メルマガ 「ちょっと得する健康ニュース」 2014年4月号 記事]

PS
私は現在(2018年5月時点)、歯ブラシ・フロスに加えて、「オイルプリング」をしています。

以前の記事で、「ココナッツ・オイルプリング」を紹介しましたが、ココナッツオイルは高価なので、白ゴマ油でも可能です。

やり方は、スプーン1杯の白ゴマ油を口に含み、5分程度、口の中で動かすのです(その後、普通に歯ブラシで歯磨きします)。

歯垢が取れて、結構スッキリしますよ!