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なぜ「緊急救命措置」の講習は、受けておいたほうがいいのか?

『上級救命講習、受けてきました!』-「あなたは、咄嗟(とっさ)にAEDを使えますか?」
救急の日

あなたは、9月9日が、9(きゅう)と9(きゅう)で、「救急の日」だということをご存知でしたか?

「救急の日」は、厚生省(現厚生労働省)と消防庁が1982年に制定したそうです。

救急業務および救急医療に対して、国民の理解と認識を深め、救急医療関係者の意識の高揚を図ることを目的にしているそうです。

 

「救命講習」が必要な理由とは?

 

けが人や急病人が発生した場合、その場に居合わせた一般市民(バイスタンダー)が応急手当を速やかに行えば、傷病者の救命効果が向上し、治療の経過にも良い影響を与えます。

実際の救急現場でも、一般市民が応急手当を行い救急隊に引継ぎ、尊い命が救われた事例が数多く報告されているそうです。

そのような緊急事態に遭遇した場合、適切な応急手当を実施するには、日頃から応急手当に関する知識と技術を身に付けておくことが大切です。

最近のニュースによると、東日本大震災等で防災の意識が高まっている中、そのような応急手当のノウハウを教えてくれる、「救命講習」を受ける人の数が増えているそうです。

「上級救命講習」、受けてきました!

 

私も最近、ある救命講習を受けてきましたので、あなたにその内容をご紹介させていただきたいと思います。

 

2011年8月15日、公益財団法人「東京防災救急協会」が主催する「上級救命講習」を、東京都の麹町消防署で受けてきました。

実は、私は3年前に初めてこの講習を受けていますので、正確に言うと「再講習」です(3年以内に再講習を受けて、「上級救命技能認定証」という資格が更新されます)。

当日はお盆の真っ最中で、さぞガラガラかと思いきや、40~50人の受講者が会場に来ていました。


講習の概容

 

講習の内容を、簡単にご紹介すると、

●心肺蘇生法(「人口呼吸」や「心臓マッサージのための胸骨圧迫」)

●AED(自動体外式除細動器)操作要領

●応急手当(止血法、やけど、熱中症、ねんざ、骨折など)

●負傷者の搬送要領など

講習時間は8時間で、費用は2,600円(再講習の場合は、3時間で1,600円)かかります。

 

講習が必要な理由

では、なぜ、このような講習が必要なのでしょうか?

「突然死」(発症から死亡までの時間が24時間以内)の原因には、心臓病によるものが6割以上と言われています。

その「心臓突然死」は年間約5万人と言われ、その中で特に多いのが急性心筋梗塞だそうです。



心臓が停止する直接の原因は、心室細動という不整脈が大部分だそうです。

心臓や呼吸停止の人を発見し、すぐに119番しても救急車が到着するまでの平均時間は6~7分だそうです。



心肺機能停止の傷病者を約3分間放置しただけで、死亡率は実に50%となるそうです(「カーラーの救命曲線」による)。

カーラーの救命曲線

したがって、傷病者を救命するためには、救急車が到着するまでのバイスタンダーによる救急救命措置が不可欠となります。

救急救命措置の流れ

 

では、救急救命措置の流れとは、どのようなものなのでしょうか。

2010年10月に発表されたガイドラインによると、

1.意識の確認

2.応援の依頼

3.胸骨圧迫

4.気道確保

5.人工呼吸

6.(必要に応じて)AEDによる除細動


これらの項目を、一般市民が迅速かつ正確な手順で実行するためには、冷静な判断力と実行力を身に付けなければなりません。

そのためには、講習などを通じて専門家からじっくり学ぶ必要があります。

このような機会を与えてくれるのが、「上級救命講習」です。

講習の実技では、練習のための人形に対して、胸骨圧迫30回(約100回/1分の速さ)と人工呼吸2回の組み合わせを繰り返し行います。

これが意外と体力を使い、結構たいへんです。


AEDの操作方法

 

また、AEDの操作要領も教えてくれます。

AEDは手順を音声で案内し、心電図解析を自動で行って本当に電気ショックが必要かを判断してくれます。

aed

ですから、人間が行うことは、

1)電源を入れる

2)パッドを貼る

3)AEDが必要だと判断したら、みんなが離れるように指示する

4)電気ショックのスイッチを押す

というだけのことなのですが、講習等での予備知識なしで、緊急時に冷静に使える人はあまりいないと思います。

なぜAEDは必要か?

 

今では、あちらこちらで見られるAEDですが、現在、全国で約30万台が設置されているそうです。

ちなみに、AEDを一般市民でも使用できるようになったのは、2004年7月からだそうです。



欧米ではもっと以前から一般人でも使用でき、日本ではその対応が遅れていました。

というのは、人が倒れた場合、欧米ではそのほとんどが心停止(心臓が完全に止まるわけではなく、けいれんしていて血液を送れない)状態らしいのです。

日本では倒れて意識がない人でも、心停止の状態の場合は以前は少なかったからです。


しかし、最近では日本でも欧米の生活になりつつあり、心停止の確率が増えてきました。

そこにきて、高円宮さまがスカッシュ練習中に倒れ、急逝されたことなどをきっかけに関心が高まり、AEDが広く設置されるようになったとのことです。


ちなみに、応急手当を試みたことにより、結果的に救命できなかったときなど、法的な責任を問われるのではないかと心配される方もいらっしゃると思います。

これに対して、東京防災救急協会のテキストには、以下のような文面があります。

” アメリカ合衆国の各州には「よきサマリア人法(Good Samaritan Law)」と呼ばれる法律があり、緊急時に善意から行った行為は、その行為に過失があったとしても責任は問われないとされています。

わが国では、これについて直接定めた法律はありませんが、市民が善意で実施した行為に関しては、責任を問われることはないと考えられています。

事実、これまで手当を行ったことによって責任を問われた事例はありません。”


まとめ

 

いかがですか?

東日本大地震を機に、ボランティアで他人を助けたいという人が増えているそうです。

それなら、緊急救命措置を学んでいざという時にそれを活かす、最高のボランティアのひとつになり得るのではないでしょうか。


ちなみに、東京防災救急協会の行う同講習は、都内在住、勤務もしくは就学している中学生以上の人なら誰でも受講可能だそうです。

私が参加した回には、中学生らしき女の子も、母親と一緒に講習を受けに来ていました。

また、このような講習は、同協会だけではなく、全国各地で行われているそうです(消防署のホームページ等を参照)。

日本赤十字社でも同様な講習を行っているそうで、非営利団体が行っているものであれば、安価で受講できるようです。



(参考文献: 東京防災救急協会 『上級救命再講習テキスト』、その他いくつかのウェブサイトを参照))


 
※上記の内容は、[メルマガ 「ちょっと得する健康ニュース」 2011年9月号]の記事を再検証し、加筆修正してお届けしております。 


PS
私はこの後、2014年、2017年、2020年にも再講習を受け、資格を維持しております。

やはり、こういった講習は定期的に受けないと、忘れてしまいますね。